熟年離婚我が家の場合[夫婦徒然]
「熟年離婚についてどう思う」
「なんだ、そんなこと考えているのか?」
「まさか!ちょっと考えなくっちゃいけないことがあったから、アナタの意見を聞きたかったのよ。今頃離婚するんだったら、遠の昔に分かれているって、そうしたら同居の苦しさから開放されて、私はもっと自由に生きられたかも知れないでしょ。勿論、今より幸せかどうかは別としてね。」
「そりゃそうだな」
「確かに同居は大変だけれど、私はアナタに惚れた弱みかな…(笑)だから喧嘩しても別れることは考えなかった。そりゃ~家出して困らせてやろうとか、ちゃぶ台返ししたいなって思うことは今でも度々あるけれど(笑)、それより何よりお互いにこの年になったら一緒にいるのが一番良いと思う。一人より二人が楽しいと思う。アナタだって、私にいっぱい不服はあるだろうけれど、そういうのってお互い様じゃないの。今更、離婚するなんて勿体無いよね」
「嬉しい事言ってくれるじゃないか。定年で、これ以上稼げなくなった男に用は無い、“今までの蓄えと退職金は半分下さい。年金も半分は権利があるからそれも下さいね”って、出て行っちゃうのはルール違反だよな。ダンナが暴力だとか酒乱だとかギャンブルで借金つくったとかだったら話は別だけれど、前触れなしにいきなり“離婚”はないだろ。突然“離婚して下さい”なんて言われたら青天の霹靂だよ」
「ルール違反とは言えないでしょ。前触れはどこかであったはずなのよ。ただ、それに気がつかなかったのか、気がついても面倒くさい、煩いで、奥さんの目線になれなかったんだから。それと、自分には無縁な話って絶対に思っているんでしょうね」
「男は家族を養うために働いているじゃないか。働いているからこうして生活が出来ているだろ。」
「それが何?家族を養うのは当然でしょ。それが不服なら結婚しなければいいのよ。アナタ、家族の為だけに働いているの?私にはそうは思えないけれど。仕事が楽しいから働いているんでしょ。じゃ、お金があって仕事しなくても食べていけるとしたら今すぐに退職する勇気ある?仕事の大変さも楽しさも私は分かっているつもり。でもね、会社に勤めていれば、報酬はあるし、良い悪いは別として評価だって成果だってあるじゃない。会議の後の本会議なんちゃって一杯飲みながらストレス発散だって出来るじゃない。ゴルフも仕事のうちって言えるでしょ。親に縛られて、評価も報酬もなくて、やって当たり前なのよ主婦の仕事は。私は仕事を辞めて家に入ってつくづくそう思う。」
「るんるんの言っていることは解るよ。確かに…今すぐ会社を辞めろって言われても正直なところ仕事は楽しいし辞める勇気も無い。男には退職したら女房と一緒に何かできるって漠然とした甘えがあるからな。」
「熟年離婚を考えている人って、長年の生活で会話が少なかったんじゃないかなと思う。旦那さんは仕事仕事で、家のことはお前に任せた!って、働いて家にお金さえ入れたら自分は役目を果たしているって勘違いしているのよ。安心して働ける環境を作っているのは奥さんの力が大きいと思う。奥さんがしいることは報酬で換算されないからタダみたいだけれど、決してタダじゃないのよ。そういうことが解っているようで結局は解ってもらえないから奥さんは不満なのよ。旦那さんが聞く耳を持たない、解ってくれないから不満な気持ちだけが積み重なって最後は仕返しするかのように“離婚”を選択しちゃうんでしょうね。誰がこんな奴のパンツなんて洗ってられるか!って(笑)
アナタがいつか退職した時にわかると思うけれど、人間はいつも役に立ちたい、人から評価されたい、存在感を認めてもらいたいって、何もすることがなくなった時に思うのよ。世の中から取り残されたような気持ちになるのよ。同居や介護で自由のない奥さんは家庭の中で取り残されたような気持ちになるのよ」
「確かに男は仕事していればそれが全てみたいなところがあるからな。稼いでそこそこの生活させているんだから“文句言うな”みたいな気持ちはある。だけど家の場合はお袋をるんるんに看させていて、大変な思いをさせているから申し訳ない気持ちもあるし感謝している。それと、お袋がこんなに長生きするとは思っていなかったから、後少ししたら(したいことさせてあげられる)というのもあったけれど…まだ暫くはこの状態だろうからな~(苦笑)」
「感謝しているって言ってもらえる事は嬉しいけれど、過ぎた年は取り戻せないからやりたかったことが出来なかった悔しさはあるわよ。だからと言って今更アナタと別れようとは思わない。(笑)」
「この年になって、あるものを半分ずつ分けて別れてもお互いに幸せになれるとは思わないけれどな~」
「私も、この年で離婚して幸せになれるとは思わないわよ。生理的に嫌いになったら話し合っても修復は無理でしょうね。離婚の理由なんて価値観の違いでも性格の不一致でも何でも良いのよ。別れられれば良いんだから。冷静に考えた上での熟年離婚だったとしても、独りになって時間が経つにつれて、それが自分の求めていた本当の幸せだったかどうか…結論はその時でしょうね」
「夫婦間の問題は五部と五部とは言わないけれど、よっぽどのことがない限り一方だけが100%の過失って訳じゃないだろ。ただ、そこに親の事が絡んでくると話しは別だけれど…」
「家は親の問題が大いに絡んでいるよね^^まだ暫くは絡みそうだけど(笑)ここまで来たから最後までやるしかないでしょ。ただ、子供には同じような苦労はさせたくないよね」
「そうだな…その為にも二人で仲良くやっていけたら良いと思っているよ」
「ねぇ~男性から見た熟年離婚って、三つ指ついて“アナタの言う通りに尽くしています”って振りしてきて、これで私の役目は終わり。じゃ失礼させていただきますって、最後の三つ指を旦那さんの目に指を突いちゃうみたいだね(笑)」
「るんるん、そんなことするなよな(笑)」
「するわけないじゃない。私もアナタも、松坂慶子でも渡哲也でもないのよ(笑)私は自分の顔を鏡で見て、熟年離婚できる顔かどうか相談しているから大丈夫!気持ちは松坂慶子にダブらせても顔はダブり様がないもんね~(笑)自分の身の丈はよくわかってますってば!」
